映画『レディ・ダルタニアン』:無茶杉トンデモ第二世代

えーと、まあ見る前からわかっていた。
駄作だろうと。
そういう意味では期待は裏切らない映画だったんですが、まあ何がこの駄作を見させたかというと、ダルタニアン役がレスター版のダルタニアン、マイケル・ヨークであったことがひとつ。
もう一つはマザラン役にジェラール・ドパルデュー、ミレディをなぞったボルトン夫人役にナスターシャ・キンスキーという、いわゆる“世代の役者”が並んでいたことです(^_^;)

だってねぇ、ドパルデューにナスターシャって、彼らが全盛期の頃にフランス語の勉強してたら絶対朗読とかニュース教材とか時のフランス関係映画の話題なんかで必ず出てきた人物だもの。
つまり私にとっての“世代の役者”なんですわ。
いやぁ、なつかしすぎる~(^_^;)

ストーリー的にはダルタニャンの娘・ヴァレンタインが銃士隊に入ろうとパリに上京し、王宮のごたごたに巻き込まれるという、ある意味オヤジ時代と同じストーリー。
時代はルイ13世&リシュリューではなく、その次のルイ14世とマザラン。
ミレディならぬボルトン夫人、ロシュフォールの代わりにビロワという、役の立ち位置はもうほとんどデュマのものと同じ。
ヴァレンタインが上京してすれ違いざまにアトスの息子に因縁つけて決闘するとか…そこまでしなくてもいいじゃん…(^_^;)

ってかダルの娘はともかく、三銃士にもそれぞれ息子がいて仲良く銃士隊に入ってるわけだが(てかヴァレンタインを含め、4人は幼馴染らしい(^_^;))、この息子たち――ガストン、アントワーヌ、エチエンヌがどいつもこいつもドラ息子…ってかヲイ待て!ヾ(゚Д゚ )

ラウルはどうした!!

消滅したラウルの代わりに出てきたアトスの息子・ガストンは女と見れば口説きまくるやんちゃな尻軽君で、一瞬アラミスの息子かと間違えました。
まあ失恋の末戦場で自殺に近い戦死をするガラスのハートのラウルよりは骨があるとはいえ…「アトスの息子」としてはぜんぜん説得力なし。
アラミスの息子・エチエンヌはサイコロ振る度に神様に祈るイカサマ博打打ちって…これは一万歩くらい譲るにしても、ポルトスの息子・アントワーヌはだるまストーブみたいでオヤジの愛嬌が全然ないよo(`へ')○☆

っていうか、そんなことじゃなくて!
なんでダルは田舎に引っ込んで豚飼ってるよ(^_^;)
なんで三銃士のオヤジ達は旅芸人やってんだ~~~\(^o^;)/
銃士隊長はどうした!
元帥杖の野望はどうした!
フロンドの乱はどうした!
アラミス、鉄仮面はどうした~~!!

もうとにかく設定もなにもかもが無茶過ぎ(´∀`;)
まあ「ダルタニャンの娘」なんて設定からしてもうトンデモ三銃士だというのは分かっていたけど(^_^;)

最たる無茶は話のキーである、ルイ14世はアンヌ王妃とバッキンガム公の間に生まれた子かも…という謎の手紙だが、待て! ヲイ待て!!

ルイ14世が生まれたのはルイ13世とアンヌ王妃の結婚後約23年後。
その前にとっくにバッキンガム公は暗殺されて死んでるっつーの!
何年子供を腹に抱えてきたんだアンヌ王妃(*_*)
しかもマザランは王妃――つまりはルイ14世の母の愛人とまで噂された男である。
そのあたりを全く絡めず、さらにはバッキンガムJr.なんかを出してくるあたりはもう……何の意味があったのやら(^_^;)

まあそんなわけで、突っ込み始めればキリがない。
ドパルデューのマザランもイマイチ精彩がないし、ナスターシャのボルトン夫人も最後は何だったんだ??と思わせるほどにその存在意義がわからない。
結局西洋チャンバラアクションが見所だったのかと思わざるを得ないのだが。

でも、その西洋チャンバラの世界が、やっぱりいいんだ。
あの羽帽子にマントの世界がいいのである。
しかもちゃんとロケはフランスでやってたようで、実は密かに三銃士縁の地が出ているという。
それだけで満足です、あたしゃ。
ええ。

それにやっぱり、マイケル・ヨークはダルタニャンなんですよ。
田舎に隠遁したダルとはいえ、なんかやっぱりマイケル・ヨークはダルタニャンなのであります。
もし本当にダルに娘がいたら、こんなオヤジだったかもしれない…と思わせる説得力がマイケル・ヨークのダルタニャンから伝わってくる。
やっぱり世界的にも「ダルタニャンは当たり役」と言わしめるだけあるわ。

というわけで。
日本語版吹替えはヴァレンタインにパクロミという、結構豪華なキャストなんだけど、映画自体が長いだけで飽きるので、多分もう見ない…と思う。
マイケル・ヨークのダルタニャンは、やっぱりレスター版「三銃士/四銃士」が一番いいと思ったのでした。

まあ実は「トンデモ2世代三銃士」は実はもう一本あるのですがね。
これはかのレスター版の三作目。
あまりのトンデモっぷりのせいかどうかはともかく、日本では未公開なのですが、実はVTRを持っている私(^_^;)
ゆっくり長い映画を見る時間がなくて放置ママなのですが、ひょっとしたらこっちの方がまだマシかも…。
いよいよ見るときが来たかな~。
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by kababon_s | 2010-02-11 20:30 | Cinema/TV