東京バレエ団「ラ・シルフィード」:俺様とアンドロイド・ギャル

東京バレエ団の「ラ・シルフィード」を見てきました。
…というより、サラファーノフを見てきました。

シルフィード・水香&ジェイムズ・サラファーノフ。
「水香に払う金はない!」と思えど、サラファーノフを見るためにはもれなく水香がついてくる…。
割り切るよりほかないと意を決し、舞台の出来には最初から何も期待せず出かけましたが、やはりそういう意味では「期待を裏切らない舞台であった」と言うところでしょうか。

でも、最初から「サラファーノフを見に行くつもりだった」とはいえ、正直こんな気持ちで見るバレエは「演目(ピース)」として成立していなくて、ちっとも面白くないですね。

そもそも「ラ・シルフィード」はバレエ・ブラン、“白いバレエ”と呼ばれる、ロマンティックでたおやかで、幻想的な妖精譚。
舞台はスコットランド。
農夫の若者・ジェイムズに惚れてしまった可憐な妖精シルフィードのコイ…のはずなんですが。

なんというか、すごく練習してきたんだな、というのは分かるんですけどね、水香。
どうしてこう彼女の踊りには感情がないんでしょう。
情緒性&表現性欠如というか、アンドロイドの踊りを見ているようなんですよね…。
変なタレントが声優気取りでアニメの吹替えをすれど、声だけ画面を上滑りして一人で浮いているような感じともいいますか。
テクニックや足捌きにすごく気を使っているのは分かるんですが、もうとにかくシルフィードというキャラに全然心が動かない。
フィギュアスケートの選手が表現力と抒情性を学ぶためにバレエをやるというのに、認める・認めないは別にしても、仮にも一応日本のトップと呼ばれるバレエダンサーがこんな表現力欠如でいいんでしょうかね???

またシルフィードというキャラをどう捉えているんだかさっぱりわからない。
最初の登場時はなんかたおやかそうで「お?」と思えど、やはり舞台が進むにつれてギャルの本性が顔を出す。
おバカそうな農夫をからかってやろうと現れた「白いなりした悪魔」なら、そういう解釈を徹底させればいいのに、それもできない。
半端に清純ぶりっこしたシルフィードポーズはもうどこのカマトトって感じでげんなり…。
最後の断末魔なんて失笑を禁じ得なかったですわ。
てか、あの60年代辺りのアメリカ厚塗り女優のようなメイク、やめろよ(*_*)
誰も何も言わないのかなぁ…。
うっかりオペラグラスでアップ見ちゃったじゃないか…(@_@)

相手がそんなシルフィードだから、もうジェイムズ…というよりサラファーノフもソロに走る。
俺様街道大驀進。
飛ぶわ飛ぶわ、まあなんて楽しそうに…( ゚Д゚ノノ"☆パチパチパチパチ。
ジェイムズというよりサラファーノフのソロ舞台です。
どこで刈ってきたのという、相変わらず妙な髪型で、でも動きもしなやかで踊りは見事なんだけど…。
これがガラならきっとすごく、すご~~く、シアワセだったと思う…(T_T)

後藤君の占い婆マージがすごい存在感を放ち、どっすんばったんな印象の強い西村さんの婚約者・エフィーも今日は比較的良かっただけに、「ラ・シルフィード」という舞台としては成立しきれなかったのが残念至極です。
サラファーノフだって王子なダンスノーブルよりジェイムズのようなダメ男など出自「庶民」の役の方が向いているだけに、残念だわ…期待通りとはいえ。

救いはチケットのおまけでもらえるサラファーノフのサイン入りブロマイドがマトモで見られるものだったということ(^_^;)
変な「うぎゃっ(ノ∀`)ノ」となるようなアップだったらどうしようと心配していたんですが、ロングの、舞台写真でよかった…。
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by kababon_s | 2010-01-17 23:15 | Ballet