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『東京バンドワゴン』:寺内貫太郎一家……?

『東京バンドワゴン』小路幸也/集英社

東京下町の四代続いた老舗の古本屋が舞台。
東京、下町、古本ということで、結構つぼにはまるキーワードに惹かれて読みました。

ホームドラマですね、現代の。
……というよりは、古きよき時代のノスタルジックなセピア色の雰囲気さえ感じます。
セリフ回しといい、ナレーションのおばあちゃんの語り口といい、必ず最後を絞める孫とおばあちゃんの会話といい、TVのホームドラマのようです。
昔の寺内貫太郎とかムー一族とか、そんなものを彷彿とさせます。
いやもう、軽いの何の。
あっという間に読めました。

こういう殺伐とした核家族化どころか、核にもなれず家族内分裂をおこしているような時代。
シングルマザーの孫娘に曾孫とか、ミュージシャンの父親とか、腹違いの孫とか、今風かもしれないネタは入ってはいますが、やはりセピア色。
もうああいう時代はこないだろうなぁ……と、やはり感じてしまうのはちょっとペシミスティックな読み方でしょうか。

なんか続編をにおわすような終わり方ですし、このまま加工すればTVドラマにも使えそうな雰囲気です。
いや、そのうちマジでTVに出てきそうですが(^_^;)

後日記載:
「テラウチカンタロウ」の「カン」は「貫」だという指摘をもらってしまいましたヾ(゚д゚;) スッ、スマソ
いや、ハズカシイ。
というわけで修正修正。
07.01.25記

by kababon_s | 2007-01-19 02:57 | Books