ボリショイバレエ「ファラオの娘」:オドロキ!のスペクタクル

ボリショイバレエ「ファラオの娘」。
初見です。
もう驚愕というか驚かされるというか、とにかく面白い!!
これぞエンタメ!といいますかスペクタクル!といいますか……。
ボリショイの面目躍如とはこのことか。

お話はエジプト。
ピラミッド見物に訪れた英国人・ウィルソン卿がファラオの娘・アスピシアの墓の前で眠りにつき、夢の中でアスピシアと恋の冒険。
「王家の紋章」が頭をかすめます(^_^;)
最初っから夢オチというのが分かっているお話です。

場面もピラミッドの見える砂漠からピラミッドの中へ。
ファラオが治める古代のエジプト王国へ。
駆け落ちする恋人たちが漁村へ。
追われる姫がナイル川へ身を投げた先は水の王国。
再びエジプト王国へ。
そして現世へ……。

3幕ものの舞台がバレエとしてはめまぐるしく場面転換を繰り返します。

エジプトのお話でありながら、思いっきりチュチュという折衷様式。
ジャングルの中で岩田守弘さんの演じる猿はもう本物かと見まごうような動きです。
ライオン狩りでぬいぐるみだか剥製だかのでっかいライオンが出てきたと思ったら!
ファラオの登場にはなんと本物の馬!!
バレエの舞台に馬!!
ナイルの神は帆立貝に乗って登場です。
……ナイルにホタテがいるかよ……というようなツッコミ所も満載。
お話を通して最初っから素頓狂ゆえに、スペクタクル・ロマンとして思いっきり楽しめます。

この「ファラオの娘」、1860年代に作られた作品。
振り付けはあのプティパです。
初演では彼自身が男性主役を踊ったというからオドロキです。
思いっきり「古典」の部類に入るのですが、ソ連時代は「芸術的でない」ということで上演されなかったとか。
振り付けや楽譜なども散逸し、しかし再び甦ったのは2000年のことだそうです。

バレエはそもそも、今のような娯楽がない時代のエンターテイメントでありスペクタクル。
歌舞伎も元々田楽であり庶民の楽しみだったっけ。
作られた年代や、プティパ自身が踊ったという熱の入れようを考えると、「ファラオの娘」はまさに「バレエとはエンタメでありスペクタクルであるぞ」ということをまざまざと思い出させてくれます。

本日の主演はマリア・アレクサンドロワとツィスカリーゼ。
私にとってはツィスカリーゼはこの前の「ラ・バヤ」に続いての舞台でした。
アレクサンドロワは体が柔らかくてすごくしなやかです。
でもロシアのダンサーってやっぱりでかい……。

今日、とってもキュートだったのがアスピシアの侍女・ラムゼを踊ったアナスタシア・ヤツェンコ。
トゥシューズをコツコツ鳴らす踊りは、あれすごくテクニックが必要ですね。
他の部分でカコカコ鳴らしたら台無しになりますから。
かわいらしかったです。

いろいろ楽しませてくれた「ファラオの娘」、お金に余裕があったらもう一度見たかったです(^_^;)
典型的な古典だけではなく、こういう作品ももっとやって欲しいし、もっと見てもらいたい。
本当に、これはオススメです。
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by kababon_s | 2006-05-10 23:55 | Ballet