お教室バレエ発表会2種:王子詣でで札幌&宇都宮

恒例となりつつある夏のあつじー王子詣でです。
今回は札幌と宇都宮に遠征。
1年ぶりに見た厚地王子はよりエレガントに、王子オーラもますます輝かしくなっておりました。
ビントレー監督が辞める1年前という、あのタイミングでバーミンガムに戻って本当によかったなぁと思いますし、そうしたタイミングを逃さない嗅覚センスもまた実力のうちでしょうか。
また今回、なかなか見る機会のないゲストの方との共演も含め、実に面白い遠征でした。

●札幌:久富淑子バレエ研究所 60周年記念定期発表会

7月12日、札幌市教育文化会館 大ホール。
あの熊川さんの出身お教室ということで、おそらく札幌方面では一番大きなお教室と見受けました。
ゲストは厚地君、元英国ノーザンバレエシアターの雨森さん以外はすべてお教室の出身者で、元Kで新国立劇場バレエ団の輪島さん、Kバレエの宮尾さん、ノーザンバレエシアターの高橋宏尚さん等々、豪華な共演です。
さらにお教室の発表会だっていうのに5000円という「いっちょまえな」(←同行者談&同意)チケット代を取るというところも豪気です(内地は無料が一般的。有料にしてももっと安い)。

あつじーファン的においしかったのは出番の多さ。
2部の「くるみ割り人形」のお客役では優雅にフロックコートで登場。
雪の場面では白く輝く雪の王。
アラビアでは「アラジン」のルビーを思い出すようなスマートで色っぽい踊り。
フィナーレは黒の上下で颯爽&シックに登場です。
いやいや、存在感が違います。
意識しなくてもどこにいたって目を引きますし、物腰がエレガントですね。
間違いなくレベルアップしていますし、やはり新国で王子を踊った経験は絶対に必要だったんだと思わせられます。

ドロッセルマイヤーが宮尾さんなんですが、お子様たちの中にあってはこの方もおっさんなんだなぁと(笑)

金平糖の王子が輪島さんという、おそらく新国ではひょっとしたらもう見られないかもな王子だと思うのですが。

お教室だから仕方ない…と思えど、「いっちょまえな」5000円というチケット代を取っているから、あえて言わせていただきますが。
無料の公演、あるいはお金取ってもちゃんと踊れる生徒さんなら何も言いませんが…。
なんというか、「大人の事情」を金取られて見せつけられたというのか。
要は金平糖は生徒さんではなく、せめて先生にするべきでしたよね、ということです。
ちゃんと踊れる生徒さんは他にも何人かいたのに。
ゲストにも客にも失礼ってレベル以前の問題でした。

ともかく、お相手する輪島さんは卒業生の宿命とはいえ気の毒で、どんだけビンボー籤引いたんだと涙が出る思いで、とにかくケガだけはしないでくれろと祈るばかり。
無事にすんで、本当によかった…(T_T)

気を取り直して。
この公演で、ずっと気になってるノーザンバレエシアターの高橋さん&雨森さんがデビット・ニクソンの作品を踊ってくれたのは、私的には非常に思いもよらず幸運な出来事でもありました。

ガーシュウィンの「Man I Love」に乗せたパドドゥだったのですが、やはり一筋縄ではいかない振付家だと感じました、ニクソン。
こういう言い方がいいのかどうかわかりませんが、わかりやすく伝えようとするなら「英国北方のエイフマン」というのでしょうか。
エイフマンから泥臭さを抜いた英国流というのか。
動きはクラシックバレエをベースにしつつも、コンテンポラリーを多分に取り入れ、シャープでスピード感がありかつエレガントでムーディー。
おそらく「ニクソン流」ともいえる言語があるのではなかろうか。
「英国の伝統」ともいえるドラマ性も感じられる。
踊り手にはおそらくすごい身体能力が求められているのではと思います。

●宇都宮:石原千代バレエスクール創立25周年記念発表会

7月27日、栃木県総合文化センター メインホール(入場無料)。
あつじー王子の出身校です。
ゲストにはバーミンガムの佐久間奈緒さん、アクリバレエのアクリ親子、加藤静流君等々、錚々たる方々がずらり。
先の札幌もそうですが、何百人という生徒のなかから一人でも世界に羽ばたいた生徒がでるということが、お教室にとってどれほど大きな財産をもたらすか、その典型的な例を目の当たりにした気分です。
しかも男のダンサーで大きく成長した人が出ると、続く未来の王子たる男の子たちのモチベーションや目の色が全然違うのですね。
ボーイズたちが実に生き生きと踊っているのは、見ている方も楽しいですし「目指せ!未来の王子様!」と応援したくなります。

その大いなる先駆者、宇都宮から羽ばたいた世界の王子・あつじーは金平糖の王子、そして「二羽の鳩」で登場です。
「二羽の鳩」ですよ!
オールニッポンバレエガラ再び!
相手は佐久間さん。
この演目がまた見られるというだけでもう、宇都宮まで出かけて行った甲斐があるというものです。

おそらくこの「二羽の鳩」、抜粋の最後のパドドゥの部分だけとはいえ、あつじーの当たり役ではないでしょうか。
二人とも気持ち入りまくりで、それまでの二人の楽しかった恋人時代、出奔して後悔し、何が大切かを気づいた男、許そうかどうしようか戸惑う娘とゆっくり和解し溶け合っていく二人の気持ちがひしひしと伝わってきて、感涙ものでした。
まちがいなく、代表作の一つと言っていいと思うのです。

金平糖の王子はもう貫禄。
新国で初めて王子を踊った頃が思わず頭をよぎりましたが、実に輝かしい、たくましくも優しく美しい、頼もしい王子です。
あつじー、バーミンガムで頑張っているんだなぁというのが伝わってきます。

脇を固めるドロッセルマイヤーのアクリさんはじめ、お教室のクオリティを超えた楽しさでした。
ツボったのは衣装を変えたら土建屋系のガテンなおっさんで、上野のアーケード下で焼き鳥食べてても全然違和感ないぞ的な男性が一人いらして、実に目立つのです、その風体で。
そのガテンさん(笑)がクララのパパだったんですが、そのままくるみ割りの2部でスペインも踊ってたんですね。
どうしてもパパがスペインやってる、と見えてしまう。

さらにダメ押しに、このバージョンは最後、クララをママだけが(夜会服のまま)起こしにくるという演出なんですが、その光景を見ながらどうしても「そして実は、パパも夢の世界の住人だったのです」という脳内補足をつけたくなるのですね。
新説くるみ割り人形かw
最後に突っ込みどころがあって、実はこれでしばらく楽しんでもいます。

いずれしにしても力の入った石原公演でした。
あつじー王子が踊る限り、多分里帰り的に毎年参加でしょうから、これは夏の行事として定番になりそうです。
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by kababon_s | 2014-08-08 23:21 | Ballet