英国ロイヤルバレエ「ロイヤル・ガラ」:いろいろ思うとこありすぎた

すいません、かなり今更的ですが、7月10日、英国ロイヤルバレエのロイヤル・ガラです。
コジョカル・コボーの「白鳥の湖」のチケットを取っていた自分としては、のっけからこの2人の降板の報に接し、でもマックレーだからいいかとは思えど、結局この日がコジョカルはロイヤルとしての、コボーはダンサー引退という最後の舞台になってしまったわけです。
しかもリャーン・ベンジャミンも今日が最後。
最後の舞台に日本を選んでくれたのか、たまたまそうなったのかはともかく、それでもこの3人に対して何のセレモニーもないのが寂しかった。

特にコジョカルは、私としてはおそらく初めて心底ほれ込んだ女性ダンサーで、彼女がいたからこそ知りえたこと、知ろうと思ったことはたくさんあります。
NBSだってコジョカルに負うところはすごく多かったろうに…。
まあ彼女は怪我も多くてよく泣かされたけど。
ともかくコジョカル、彼女はロホが芸術監督を務めるイングリッシュ・ナショナル・バレエに移籍が決まったので、またどこかで彼女の踊りを見ることはできると思いますが。
でも後日知ったけど、コボーはあまりにいろいろあんまりすぎ。
また日本に来てくれるかなぁ…。

というわけで、ガラ。
平野亮一さん、小林ひかるさん、金子扶生さん、高田茜さんに蔵健太さん等々、日本人がたくさん!
改めてこうして舞台に並んでいる方々の姿を見ると、いつの間にこんなことになったのやらという、すごい感慨があります。
都さん、熊川さんが開いていった扉が、さらに大きく開いたか。

その小林&平野さんという日本人ペアが真ん中のラ・ヴァルスから幕開け。
ジャパニーズ・サービスかと思えども、でもやっぱりあちらの方は大柄で動き一つひとつがダイナミックです。
華やか。

1部はこのあとコンテンポラリーが延々と続くのですが、印象に残ったのはリャーン・ベンジャミン&エドワード・ワトソンの「クオリア」。
アリスのプログラムに「ちょい悪白ウサギ」と書いてあったのですが、この踊りを見てわかった気がした。
ちょい悪コンテンポラリー。
でも私はこの人の踊り好きだなと、改めて思ったりもしました。
芸にまっすぐで、でもちょーっとだけ斜に構えたシニカルっぽい感じというのでしょうかね。
勢い余ってワトソン主演の「うたかたの恋」のDVDをGETしたのですが、これは見るのが楽しみ。
元気なときじゃないとこの作品は見られないけど…。

ゼナイダ&アコスタの「アゴン」は、器械体操的な「静」のパドドゥ。
ゼナイダはやっぱり体がっちりで、あの静かな動きの中でもきっちり動く。
アコスタは柔らかく、優しい。
中南米系の方々がよく見せる超絶技巧よりも情緒のアコスタか。
全部を見たことないので、ここだけではこの「アゴン」という作品の全容はわからないけど、見てみたいもんです。

コンテが4つ続いて、ロベルタ・マルケス&マックレーのドン・キホーテ。
コンテ続きの間、両隣とさらにその向こうのお隣さんも、思いっきり船漕いでましたがな。
ちょっとこのプログラム組はどうなのかな。

ともかくマックレーのバジルは昨年の世界バレエフェスティバル全幕でロホと踊ったバジルをどうしても思い出しますが、この日もあの時ほどではないにしても「ぎゅるるるる!」と回りまくり。
どんだけ回るの好きなんだww
マルケスの方がまったく生彩を欠いていたのですが、どうも足を痛めたようだというのは後日談です。

1部最後が、この日がロイヤル最後となるコジョカル&コボー。
コボーのルドルフがまた狂気に満ち満ちていて、役者・コボーの面目躍如というか、ほんとにこの人の変人とか狂人はすごい。
そして追われるような鬼気迫る二人の姿がまた切ない。
円満退団…と聞いていたけど、結構根深いものがあったのだろうか。
カテコが何度も続きましたが、本当に花束くらい渡してあげればよかったのに…。
でもNBSもカンパニートップからNOと言われたら何もできないものいなのだろうか。

2部はやっぱりリャーン&アコスタのマノン。
情感豊かで、お話全体が見えるようで、最後の舞台という「今」を謳歌するリャーンのマノンには、本当にうるうるきました。

ロイヤル版「白鳥」でカットされた幻のパドカトルは、これは3幕で入ってくる踊りだったのでしょうか?
今にして思えば、スペインもチャルダーシュも何もかもがロットバルトの手下のロイヤル版「白鳥」3幕、これが入ったら結構箸休め的になったのかな?と思う一方で、また冗長な感じにもなったかもだし、まあ良かったんでしょう。
高田茜さんは結構好きなタイプです。

金子さん&ニーマイア・キッシュの「眠れる森の美女」。
これもなんというのか、派手さはないもののとても丁寧で、金子さんもいいなぁ、と。

「春の声」は、比べるのもどうよと思えども、でも以前のバレエフェスで見た春の妖精さながらのコジョカル&コボーの印象があまりに素敵すぎて強すぎた。
またユフィの解釈が独特なのか、春の妖精には見えず、「わっほい春が来たー♪」と踊ってるルンルンギャル(←死語)のように見えて違和感を感じてしまった…。

クライマックスの「シンフォニー・イン・C」、これはラ・ヴァルス同様、個々のダンサーはそれぞれにキレイでダイナミックで華があってこれはこれで見応えがある。
でも「イン・C」という作品全体の揃い方やまとまりでは、やっぱり新国の方がきれいだなぁ…としみじみ。
新国見ているうちに、いつのまにかコールドやまとまりの美しさ、丁寧さという部分では、新国が基準となってたかと改めて気づいたり。
いや、基準となるくらいに育ったことがすごいのか。
いずれにしても今後、海外カンパニーのばらばらなコールドを見て「キレイ」と言うのは、「新国見てません」と言うのと等しい…ってことになるかもだよ。
日本のバレエ、もっと日本人が見て、応援しないでどうするよ。

というわけで。
英国ロイヤルはあとそのどたばたとキャストが変わった「白鳥の湖」を見ました。
これはまた後日。
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by kababon_s | 2013-07-24 23:42 | Ballet