ABT「スペシャル・ドン・キホーテ」:一粒で三度おいしい

アメリカン・バレエ・シアター(ATB)の公演が始まりました。
やっぱりまずは言わねばならない、「来てくれてありがとう!」。

21日がオープニング・ガラだったのですが、この日はどうしてもダメで、私的には今日が最初。
「スペシャル・ドン・キホーテ」、つまりは幕変わりドン・キホーテです。
全3幕だから、3組のダンサーが出てくるわけで、今回ドン・キはカレーニョしか行けないから、結構オイシイです。
以前パリ・オペラ座が「幕変わり・白鳥の湖」をやったけど、あれも面白かったなぁ。

というわけで、第1幕はヘレーラ&カレーニョのラテン・アメリカ組。
カレーニョは実質上、ABTを引退しているので、今回が日本で見るABTのカレーニョとしての最後の公演です。

まあバジルは彼のキャラに合ってて、スマートで、やはり総じてABTはエンタメ性は申し分ない。
テクも大技も披露しつつ、サクサクとテンポよくお話を運んでいく所は、「ショーとは何か」をよく知るアメリカならではという感じです。
音楽も辛気臭い(笑)序曲を少し編曲してあるようで、スペインを舞台としたこのドタバタ・コメディの明るいエンタメ性を最初っから披露しています。

ドン・キホーテがなんか加藤茶を思い起こさせる一本毛カツラで笑っちまうが、なかなかのKYっぷりです。
愛らしい騎士様だよ。

エスパーダのコリー・スターンズがかっこよかったなぁ!
久々に萌えが入るエスパーダでした。
ABTのエスパーダは3幕まで出ずっぱりだから、結構これはこれでたっぷり楽しめました。
闘牛士って、やっぱりカッコイイ!

でも今回がスペシャルだからか、結構間を端折っているようで、お話は超スピードで駆け抜けていく感じ。
前に見たときはもっといろいろやってたようなんだけど。

第2幕はレイエス&コレーラで、これも大陸は違えどラテン組。
ジプシーダンスにバジルが参加。
ジプシー・キングがやたら色白で、青白いライトで一層白く見えて、不思議な生き物のようだった。
キホーテ様が到着した所で、風車にドルネシア姫の影が映り、囚われの姫を救えとばかりに騎士様、風車にはねられます、あっという間に。

そしてオヤジの妄想の森。
キホーテの夢、もとい妄想は純粋極まりないからこそウツクシイ。
森の妖精の女王、ヴェロニカ・パールトは貫禄があり、キューピッドのサラ・レインは小さくて、とってもキュートだ。
古典によくある「突然ふってわくチュチュのコール・ド」は、でもドン・キのは結構好きです。
騎士様が愛らしいほどに、なんか切なく美しい感じがしてなぁv

2幕のコレーラの見せ場は狂言自殺。
踊り的にはやっぱり1幕か3幕で、あのジプシーダンスの所で踊らないとコレーラの見せ場はなかったというか。
でも演技力達者ですから、なかなか楽しい「死んだふり」でした(笑)
会場も結構笑いの渦でしたよ。

第3幕はもうグラン・パドドゥだけなんですが。
加治屋&シムキン組です。
バジルがどんどん若くなって、とうとうボクちゃんになってしまった~~!!(笑)
加治屋さんは、ああいう面子のなかにいるからでしょうか、化粧のせいでしょうか。
妙にエキゾチックな、典型的アジア風の、なんというか「マダム・バタフライ」が可憐に踊っているような感じってのか。
不思議な魅力がありました。

それにしても、シムキンって小さいよなー。
トゥで立った加治屋さんの後ろに立つと、すっぽり隠れてしまうよ。
サポートもちょっと大変そう。

でもその小ささを補って余りあるバネに伸びやかさ、優雅さ、今ならではの溌剌とした若さがある。
加治屋さん共々、可愛らしいカップルでした。

ラストは老人、感謝されて舞台中央で担がれてスポットライト浴びて、嬉しそうなとこがまた愛らしい(笑)
なんのかんの言って、ドン・キホーテは騎士様に存在感があると締まるし、私的にも見ていて妙にウレシイのです。

最後のカーテンコールも、…こんなんだっけ??
やっぱり今日のは特急お端折りドン・キだったかな??

いずれにしても、「今のABT」が丸ごと窺えるドン・キでした。
ABTはやっぱり見せてくれます。

次は24日のカレーニョのフェアウェル・ドン・キ in Japanです。
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by kababon_s | 2011-07-23 03:13 | Ballet