LFJ2011:「浄夜」でクリムト色

今年もやって来たGW好例のクラッシック音楽イベント、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン(LFJ)。
廉価で良質の音楽が聴ける上、結構レアな曲目などもあって、(大人しく座っていられない子供がやかましかったりするけど)毎年楽しみにしているのですが、今年は震災や原発事故の影響で、開催2週間前にプログラムが全て白紙になるなど、いったいどうなるのかとても心配していました。
でも結局規模縮小とはいえ、無事開催されることになり、本当に良かった。
そしてこの状況の中、来てくださったアーティスト達には、本当に感謝の言葉もありません。

特に今年のテーマ「タイタンたち」にはシェーンベルクも名を連ねており、また「浄夜」がオケ版、弦楽六重奏版と2種類聴け、「月に憑かれたピエロ」もバレエ付きが上演されるとあって、ものすごく楽しみにしていました。
白紙化されたときはかなりがっくり来ていたのですが、ちゃんと狙ったプログラムは復活したので一安心です。

で、「浄夜」。
デーメルの詩に曲を付けたものゆえ、曲にはストーリーがあります。
素晴らしい解説があるので、ストーリーの詳細は こちら で。

「浄夜」といいつつ、朝から弦楽六重奏版、オケ版と連荘で聴き、さすがに頭がすっかりクリムト色。
金銀きらめく「接吻」の世界さながらで、世紀末ウィーンの香りが漂う、生々しくも美しく、また官能的で崇高な曲です。

弦楽六重奏版もオケ版もどちらも味わい深いです。

弦楽六重奏版はプラジャーク室内弦楽四重奏楽団+αの六人組。
バイオリン、ビオラ、チェロにそれぞれ風の音、木々のざわめき、女声、男声、重々しい心情から魂を天へと仰ぎ上げるような地の力…といった“配役”があり、白々と光る月明かりの枯れ林の中で会話を交わしているような雰囲気が六重奏版の特徴。
冬の月明かりに照らされた夜空を、白い星明りと綿雪と、心を紡ぎ合う2つの魂が昇華して行くような美しさとエロさは身が捩れんばかりに素敵でした…(T_T)
コンサート終了後、会場をうろうろしているプラジャークの面々を発見し、おもわず「素敵な演奏だった。来てくれてありがとう!」と声をかけた私は、すでにクリムト色の頭のせいでリミッターが外れてましたな(^_^;)

オケ版は山田和樹指揮、横浜シンフォニエッタ。
コンマス…というかコンミスだったのが、この曲にはふさわしいです。
オケ版ではコントラバスも加わり、また人数も増えるので、舞台に奥行きが出る感じ、というのでしょうか。
山田さんのシャープで、「滲み出る情熱」を抑えつつの指揮は素敵でした。
普段CDで聴いているのとは違った音が聞こえてくるのも生オケの醍醐味というか。
第4楽章の女声パートのバイオリン、コンミスの旋律がとても透明で、りんと前を向く女性の涼やかさが感じられました。

「浄夜」2つも聴けるなんてシアワセすぎる…。

今日はこのほかボリス・ベゾレフスキーのリスト「超絶技巧」全曲に、「メフィストワルツ」、インターネットラジオ「OTTAVA」特設スタジオ前で、今回話題の声楽グループ「ヴォーチェス8」のモテットと即興「トトロ」を聴きました。
ヴォーチェス8(エイト)、昨日の前夜祭コンサートにも来ており、ブラームスのモテットを聴いた時はもう衝撃でした。
名前はなんとかファイブとか、スーパー戦隊みたいですが、英国聖歌の伝統を引き継いだ、素晴らしいアカペラグループです。
ロイヤル・ウエディングで流れたラターの聖歌といい、英国音楽シーンはかなり面白いかもしれません。

OTTAVAではゲストにルネ・マルタン氏が登場。
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早速来年はロシア音楽特集という発表がありました。
来年も通いづめ決定(^_^;)
あと2日あるんですけどね。
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by kababon_s | 2011-05-03 23:17 | Music