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LFJバッハ:ベルサイユのブランデンブルク

今年も行ってきたラ・フォル・ジュルネ(LFJ)・ジャポン。
今回のテーマはバッハ大先生であります。

このほど聞きに行ったのはピアノ連弾プログラム4曲、「ブランデンブルク協奏曲」、「トッカータとフーガ」をはじめとするバッハのオーケストラ・アレンジバージョンでした。

ドイツ風味バリバリのバッハ大先生ですが、指揮をする人の解釈によってこんなにも違うものか…!と改めて実感したのが「ブランデンブルク協奏曲」です。

華麗な中に何かこう、襟をビシっと正すようなテイストが感じられる「ブランデンブルク」ですが、今日のはなんだか花びらが飛ぶような華麗さ。
めくるめくカラフルな世界、花々が咲き乱れるきらびやかさは何だろう??
…と思っていたら、終演後、本日のバッハマニアの連れいわく。
「フランス人が振るとこうも違うの!? お国柄というか、国民性って出るのねぇ!」

そうか!
本日の指揮者はフランス人。
きらびやか、華やかなのはフランス宮廷のテイストだったのでしょうか。
いや、まさにベルサイユのブランデンブルクだったんですねえ。

バロック音楽は急緩急の分かりやすい3部構成。
当時使われていた楽器は現代の楽器のご先祖というもので、今のものに比べると強弱が付けにくいものだと聞きます。
それゆえ、シンプルといえばシンプルですが、だからこそ解釈の違いでこんなにも違ったイメージになったりするわけですねぇ。

もう一つのプログラム、オーケストラバージョン。
会場の国際フォーラムはとにかく何が残念ってオルガンがないこと。
それゆえに今回は「トッカータとフーガ」「パッサカリアとフーガ」といった有名なオルガン曲がオーケストラアレンジで聴けたともいえます。
また逆にオーケストラ・アレンジとういうものも滅多に聞けるものではないでしょう。
しかも演奏は都響だし。

「パッサカリアとフーガ」は特に出だしの重厚な響きがどっしりとくる感じで、オルガンとはまた違った味わいがあります。
と同時に、オルガン・バージョンもきちんと聞いてみたいなぁと思わせられました。

昨日聞いたのがピアノ連弾。
本来チェンバロ連弾で作られたもので、今回は2台、3台、4台のピアノです。
ピアノ4台というのは相当に迫力です。
というか、4台並んでいる姿がなんともかわらしいと言いますか(^_^;)

ピアニストにはベレゾフスキー&エンゲラーが名を連ねます。
あれ、あの丸いおばちゃん、どこかで見た…と思ったら。
音を聞いて思い出しました。
昨年のシューベルトの折に、やはりこのコンビで「ます」をやっていました。
アンコールがチャイコの「眠り」のパノラマ&ワルツだったっけ…。

チェンバロは強弱が付けられない楽器ゆえに、だからこそピアノの発明は革命的であり、またピアノはつくづく打楽器だと感じます。
それがまたピアノの魅力ですが。

コンサート終了後にバッハ・マニアの連れがプレイヤーに入れている曲をいくつか聞かせてくれました。
それを聞いて思ったのが、バッハ先生、音楽が教会から宮廷にうつるあの時代を考えると、相当にドラマチックでストーリーのある曲を作っていらっしゃる。
規律・規則を守りつつ華麗で想像力/創造力に満ち、それでいてどこか襟を正すところがバッハの魅力のように感じます。
やっぱりバッハはドイツなんだと、思うわけであります。

by kababon_s | 2009-05-04 23:22 | Music