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築地の観光再開:告知すべき日本の文化・マナー

築地市場のマグロ競り見学を再開 外国人にマナー周知


外国人観光客のマナーの悪さのため、中止されていた築地市場のせり市観光が再開になったとか。
何はともあれ、「観光資源としての築地」という価値・位置が無視できないほどに高まっている証拠でしょう。

おそらく「観光客のマナーの悪さ」は日本のマナーや常識について「知らないがゆえ」起こったことだと思われます。
外国人を「非常識だ」「迷惑だ」とののしる前に、観光業者も自治体も政府観光庁も外国人観光客誘致の際に「日本に来てくれ」「日本のここがすごい」と宣伝するだけでなく、日本の常識やマナー、その観光地を楽しむための最低限のルールを宣伝していたのか、告知していたのかどうか。
「来てくれ」といいつつ、肝心なルールは伝えずに「来たら困る」…はあまりに自分勝手でしょう。

ここで外に出ては日本に戻り…を繰り返す身として言えば。

外国人のほとんどは日本のことを知りません。
マナーはもとより文化やルール、歴史など、日本人なら知ってて当然、言わずもがなということが相手には通じません。
日本のアニメなどが海外で人気だとはいいますが、あくまでも日本文化については依然「フジヤマ、ゲイシャ」の域を超えていない人がほとんどだといっても過言ではないでしょう。

そんな人たちに日本のルールやセリ市の意味、食品衛生の常識などがわかるはずがないわけです。

築地見学再開のタイミングで、TVのニュースでも「外国人観光客の迷惑」を取り上げていました。
その一例として、京都での舞妓さんへの被害というのがありました。
着物の裾を引っ張るはもちろん、抱きついてきたり絡みついてきたり…という、いわばセクハラ的な被害が多いとか。
が、これもおそらく「フジヤマ、ゲイシャ」の延長だと思うのです。

これも海外に出てよく聞かれ、また聞くことですが、依然舞妓さんなどは単なる「娼婦」としか思われていないのですね。
日本文化の伝道者、なんて崇高なイメージを彼らは持っていません。
「娼婦」と思っているから平気で高飛車にセクハラするわけです。

これもおそらく事実が伝えられていないのだと思います。

欧州や欧米の大使館職員は、駐在先の国の雑誌やメディアで報道された自国のニュースや作品をくまなくチェックして、事実誤認や誤解のあるものはその都度クレームを挙げているという話を聞いたことがあります。
日本の大使館職員もそれくらいしてほしいものです。
SAYURIなんてとんでもない映画を放置しておくから、そういう誤解が起こり、いつまでも正しい日本文化が世に伝わらないままに、無知なお客さんが増えていく…という悪循環が起こるのではないでしょうか。

いずれにせよ、この少子化社会に生産・消費経済が頭打ちの時代、観光なくして日本の経済は立ち行くはずもありません。
日本の外客誘致――専門用語でインバウンドですが、このインバウンド第二時代も始まったばかりです。
日本のマナーや正しい文化を告知していくことは、ぜひ真剣にやっていただきたいものと思います。

あと、築地についていえば。
英・露・韓・中の看板を設置したといいますが、できれば仏・独・西、余裕があれば伊も必須かと思います。
欧州人がみんな英語ができると思ったら大間違いですから。
ドイツ人はともかく、フランス人は英語が分かっていても使いたがらないし、ましてや分かるとはいいたくない人たちです、基本的に。
「オ~、ワタシ エイゴ ワカリマセ~ン」と言われたらそれまでですから。

語学の尊重が他国の人、そして文化の尊重に繋がりますし、気持ちも伝わるというものです。
そういう意味では日本人もまだまだ世界を知らない部分も多いですよね。

by kababon_s | 2009-01-19 23:14 | Travel/City