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新国立劇場/モスクワ国立劇場「くるみ割り人形」

超お久しぶりです。
取材で長期不在してましたが、その間にドイツ・ドレスデンでゼンパーオパーのバレエ見てきました(*^_^*)
ジョン・ノイマイヤー版の「くるみ割り……」です。
この件についてはまた後ほどで。

で、先日新国立劇場の、そして今日はモスクワ国立劇場の「くるみ割り人形」を見てまいりました。
どちらもマリーいうか主人公・マーシャのワイノーネン版です。

平たく言えば、ワイノーネン版は徹底マリーの夢オチなので、金平糖=マリーはいいんですが、ドロッセルマイヤーの出番が少ない……。
くるみ割り人形=王子で、あの1幕のパドドゥがとてつもなくヲトメでロマンチックでよいのですが、ドロッセルマイヤーにエスコートされておとぎの国へ…というのがないのも、これはこれで寂しい。

クララが脇役だとドロッセルマイヤーのエスコートはあるけど、プリマは金平糖で、そういうもんだとは思えど、個人的にはなーんかナットクできないようななんというかかんというか……で煮え切らないというのが正直なところ。

マリー=金平糖だと王子のエスコートはあれど、ドロッセルマイヤーがどっかに行ってしまう。

結局王子とドロッセルマイヤーおじさま、二兎は追えず、ということなんでしょうかねぇ(^_^;)

それはともかく。
同じワイノーネン版でも違うもんだなぁ、というのが今回の感想で。

国立はキーロフのファジェ様ことファジェーエフが出るので見に行きましたが。
……ヒヤッとする場面が多くてなぁ、リフト。

それはともかく。
新国バージョンは完全ドロッセルマイヤーの見せ場は1幕で終わりで、あとはもう純粋に徹底的にマリーの夢。
2幕のグラン・パドドゥでは「眠り……」のバラのアダージョよろしく、花のワルツの男性4人も従えて「一夜だけのオヒメサマ」全開です。

モスクワ国立劇場は今回が初見でして。
技術・テクはまぁ……おいといて。
舞台装置が見事ですなぁ。
モスクワ的ハデさ。

ここではドロッセルマイヤーが不思議な魔法使い。
マリー一家のクリスマスパーティーに現れたファンキーで愉快なオジサマ魔法使い……かと思いきや、最後のカーテンコールで観客に対する「夢の世界への案内人」だったのか、という演出だったというのがわかり、ちょっとだけナルホド、という感じです。
こういうドロッセルマイヤーもありかな~。

こうしてみると実にいろいろな「くるみ……」があるわけです。
私の場合「二兎は追えないのか」と思うような、それぞれの振付家が何かどっか足りないと思わせる部分があるからこそ、これだけいろいろなバージョンができるわけでしょうか。

変わらないのはチャイコフスキーの音楽だけ。
やっぱり、何度聞いてもこの「くるみ……」の音楽は雄弁すぎます。

それにしても。
山岸涼子の「テレプシコーラ」の影響もあるからでしょうか。
バレエ観劇ビギナーのような女性組が両公演ともとても多かったですね。
いや、いいことです。
こうしてバレエ観劇人口が増えれば、もっといろいろなものが見られるようになるのかも、と期待。

by kababon_s | 2007-12-23 23:13 | Ballet