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ルグリと輝ける仲間たちBプロ:総じて生々しい…?

ルグリのBプロ。
Aプロに比べ、男性のデュオの多いプログラムで……なんといいますか、人間的なエロりんな生々しさ丸出し、的なイメージでした、全体的に。

「フランス人はどこにいても、どんな場所にあっても、良くも悪くもフランス人」
何の本か、エッセイか、誰かが言ったのか忘れましたが。
なんか、ふとこの言葉を思い出すようなプログラムでした。

ルグリ的に見れば。
ルグリがもう定年というか引退なので、最後の「ルグリ」公演。
そして今日のカバ的目玉はやっぱりイレール&ルグリですか。

いや、成熟しきった味わいです。
「老人会による“さすらう若者の歌”」なんて言わない(^_^;)
イレール。
そしてルグリ。

こういう「演目」のさらに向こうにある、何かを見せてくれるような、そんな踊り手。
1つの演目を、さらに何倍も拡げた“世界”が感じられます。
これは技術以上に、演技であり、さらにその先。
円熟した踊り手でなければ見せることのできないものでしょうか。

ルグリやイレールの後を次ぐようなダンサーが、オペラ座ではいるのだろうか……。
なんかそんな不安さえ、なんだかよぎります。
ガニオじゃまだまだ役不足だし。
ペッシュはなんかオーラが足りない。

いや、そのペッシュTHEぱんつ。
何なんでしょうね、今日のは(^_^;)
はっきり言うけど、アレ、夢精ってやつだよね。
ティッシュBOXまであるわけで。
オペラ座ってこういうのまでやるんですか、そうですか。
………………まあ、いいけどね。

ルグリの後を継ぐ若手……という意味では。
個人的に注目したのはグレゴリー・ドミニャックとマチアス・エイマン。
ってか、なんか引っかかったといいますか。

ドミニャックはテクはともかく、表現力。
今日の「アベルはかつて……」も男性デュオですが。
身体が語ってるって感じがしたです。

エイマン。
この人、今日は「ドリーブ」踊ってましたが、パートナーのウルド・ブラーム共々初々しい。
Aプロでは振付けたジョゼ・マルティネスが踊ってましたが、ジョゼのとは全然違った、味わいのある「ドリーブ」。
腕から何から、すごく丁寧に踊ってて好感持てるです。
踊りが音楽に乗っているって感じがしました。

しかもマチアス君は、多分移民系ですね?
南米のカラカスとか、そんな辺りか?
そういう意味では今のフランス的だし、もし彼がエトワールにでも昇格して王子踊るようなことにでもなれば。
ああいう社会、格式、伝統の世界においてはすごいことかもしれません。
それをやってのけるのがフランスだし、批判するのもフランスですが。
期待してしまいますね。
いろんな意味で。

というわけで、ルグリのA、B。
圧巻はやっぱり「オネーギン」に尽きるでしょう。
渾身の演技にはもう、込み上げてしまって言葉を失いました……。

by kababon_s | 2007-08-12 22:47 | Ballet