BBC The Musketeers(マスケティアーズ): 第3話「危険な商売」【ネタバレあり】

マスケティアーズ、相変わらず3話好調です。
社会概念に市民運動が出てきてはいるものの、英国、つまり欧州で作っているから風俗が(多少ビジュアル的に手は加えているようですが)やはりかなりいい感じ。
埃っぽく色も落としてあるけど、それが却ってリアリティを増しているようです。

また今のところ、フランスのステレオ的イメージにありがちなクロワッサンだのギロチンだのは出てきていないのがほっとします(どちらも銃士の時代である1630年代には150年は早い)。
まあつまり、舞台でも映画でもなんでも、「三銃士」の話にクロワッサンを出してくる演出があったら、それは時代考証無視ということです。
心の中で( ̄ー ̄)ニヤリとしましょう。

それはさておき、3話は友情です。
そしてまたウハハな展開です。
以下ネタバレ。








つまり「銃士たち」の今回の任務は胡散臭い自称・冒険家の男・ヴァディムをパリへ連行すること。
英国やオランダ、スペインなど植民地先で諍いを起こした、というのがその理由です。

冒険家というか山師というか詐欺師のような男で、スペインの密使だの、ビジネスパートナー(実はだまくらかした?)の手先に狙われるたり、女房が奪還に来たりと、まあたたけば…というかたたかなくても埃が立ちまくりです。

道中行く先々で小競り合いになる、実に危険な任務。
そのヴァディムとの会話でポルトスの母親はアフリカからの黒人奴隷で、ポルトスはそのハーフである生い立ちが語られます。
原作者アレクサンドル・デュマはお父さんが黒人と白人のハーフです。

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お父さんはルイ16世時代からナポレオン時代を軍人としてのし上がりますが、まさにポルトスはこのお父さんデュマをなぞったようですね。
デュマが愛したポルトスは、デュマ一族へのオマージュキャラだ。

そしてその小競り合い中にさなかにポルトスが重傷を負い、アトスの館、ラ・フェール伯爵邸に一時身を潜めることに。
アトスが伯爵、つまり貴族であることが「全員の」知るところなります。

お城が出れば、当然触れられるアトスとミレディの過去。
過去になにがあったかを知るのはダルだけですが。
つまりアトスの弟(初耳だ)を殺した妻を処刑した、という顛末のよう。
自責の念と未だ断ち切れない妻への思いや苦しさで酔いどれ、かつて妻とともに過ごしたベッドに身を埋め悶絶する、オトメなアトス伯爵です(苦笑)。

…ところがミレディは処刑人をたぶらかし生きていた、という真実が露見。
ミレディにたぶらかされた処刑人(使用人)は伯爵を裏切ってしまった罪にさいなまされ自殺。
殺したはずの妻が生きていた事実を知り、また酔いつぶれたところ、復讐に燃えるミレディに館に火をかけられてしまいます。
あわや焼死??のアトス姫を助けたのはダルタニャン王子です。

さて、山師ヴァディムが画策するプランテーション植民地計画は、実は奴隷売買と知り、ポルトスが激怒します。
泣けます。

それでも「任務」故、ポルトスをなだめつつ山師をパリに送り届けた銃士たちです。
対立しているスペインといさかいを起こしたことは、あわや全面戦争のきっかけにもなりかねないわけですから、懲罰必至と思いきや。
アメリカの植民地事業に遅れをとっているフランスは、ヴァディムの奴隷売買計画を買いあげ、なんと無罪放免に。
納得のいかないポルトスです。

ポルトスの気持ちが痛いほどわかる銃士たち。
しかし王の命は絶対。
そこで彼らは酒場で諍いを起こした山師を助けとっとと船に追っ払います。
がそれはヴァディムを追ってきたスペイン密使船(笑)
しらばっくれたこっそり職務違反でポルトスへの友情に応えるという結末です。
アトスの実は伯爵露見もポルトスの命を救うためでした。
いいですね。


ストーリー的にはアトスとミレディのお約束通りの過去が語られる展開ですが、今作やはりおいしかったのはドクター・アラミスです。

野戦病院ですか!?
けがをしたポルトスをテキパキ診断し、傷の縫合までしちゃうなんて、すごい!
下半身だけの男じゃなかった!(*´▽`*)
ちゃんと頭も切れる、というか生きる・生かす技術は持ってるじゃないか!

また植民地経営について描かれることも新鮮です。
てかなんで今までこのことについて触れなかったのがずっと疑問でした。
フランス人探検家がカナダのケベック州に上陸したのが1534年ですから、銃士の時代の100年前には植民地経営は開始されているわけです(実際に植民地に渡った銃士もいました)。
英国人の映画監督、レスターの「三銃士」の映画には大航海時代なんだよな、と思わせる描写があるのですが、やはりこういうところを忘れずに触れるのは、海を制覇し大英帝国を築いた英国ならではでしょうか。

いずれにしても、小説に書かれていなくても、その時代に起こっていたことの背景を考えることってのは実に面白いし、視点が変わると新しいものも見えてくるってもんです(*´꒳`*)
何よりそれが面白いのだ。

そしてデュマ先生へのリスペクト。
ポルトスの生い立ちにデュマ一族のファミリーヒストリーを重ねることで、そして仲間の友情を描くことで、作者・作品に対する尊敬も伝わってくるようです。
知性と品格、時を経てもなお愛される作品へのリスペクトです。
英国国営放送、さすがです。
どっかの日本の国営放送とは偉い違い(ええ、あの人形劇のことです)。

というわけで。
次回は第4話。
英国の放送ってそういえば次回予告、やらないのね。
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by kababon_s | 2014-11-15 23:38 | Cinema/TV