新国立劇場バレエ団厚木公演「クラシックバレエハイライト」:それでも新国はすごい。

1月23日、新国立劇場バレエ団の厚木公演に行ってきました。
新国2014/2015シーズンのラインナップに思うこと多々あり、しかし頭に血が昇った状態で書いたところで全うになるはずもないので冷却期間を置いているうちにこの日になったという状態。
いろいろ思うことはかなりあり、複雑な思いで公演です。

でも、行ってよかった。
やっぱり私は新国の子たちが好きですわ。

公演自体はのっけからプリンシパルの小野さんが急遽降板というアクシデント発生。
「体調不良」ということで、英国のバーミンガム・ロイヤル・バレエへのゲスト出演も控えているから、多分この後の姫路、和歌山公演も出ないのでは…。

そういうこともあってか、全体的に湖にさざ波がたったような雰囲気も否めなかったのですが、でも通常運転の方々は思い切り通常というか、それ以上です。
強くて美しいです、みんな。
てか、ダンサーさんたちは強いわ、やっぱり。

ともかく最初の演目、パ・ド・カトルのタリオーニは急遽別の日にタリオーニを踊る予定の本島さん。
彼女は結局全公演、タリオーニで参加することになるのでしょうね。
グランが寺島さん、グリジが長田さん、チェッリートがさいとうさん。
特にチェッリートのさいとうさんが、パステルカラーの小花が漂っているような空気をまとった感じで、まぁ愛らしいこと。

音楽がオケではなくピアノだけで、演奏するのはバレエ団のピアニストの蛭崎あゆみさんです。
こぢんまりした雰囲気のパ・ド・カトルではありましたが、いつも一緒にお稽古やリハーサルをしている方の演奏故か息があってて、踊りと音楽の一体感がよかったですね。
カーテンコールで4人のダンサーさんたちが蛭崎さんを迎えるところもほっこりしました。

「アリアのための序曲」は新国の貝川さんが振り付けた作品。
昨年のFirst Stepsで披露されたようなのですが、私は初見です。
踊るのは貝川、輪島、吉本の男性3人。
コンテンポラリー系で確かに初めての作品だなぁと思いましたし、これが今年観たSecond Stepsの「フォリア」につながっていったのか、という印象。
G線上のアリアの音楽に乗って踊るバレエで、男性3人の動きが優雅かつキレのある緩急のある動き。
輪島さんも久々に観る吉本さんもメリハリがあって情感もあっていい。
そして全体的に、やはり静かな中に青い焔光が見えるようです。
貝川さんという人は、(失礼ながら)外見とは裏腹に、内側は相当熱いのかと思ったり。
こういうダンサーによる作品を見ると、新国のFirst Steps、Second Stepsのプロジェクトはなにが何でも続けてほしいという思いを新たにしました。
幸い来シーズンもThird Stepsがあるようなので、これだけは本当によかった。
こういうバレエ団の未来につながるような振り付け家、人材育成の機会は絶対に摘んではだめです。
心底そう思いました。

ドン・キホーテは3幕のグランパドドゥ。
米沢&福岡という、見応えのあるペアに、ヴァリエーションが五月女&井倉さん。

米沢唯ちゃんは文句なし!
相変わらずの余裕しゃくしゃくのキトリで、唯ちゃんスマイル全開です。
4回転含めて40回くらい回ってたんじゃないかと思うんですが、彼女のグランフェッテは単なるテク披露にならず、上品さがあって全然嫌味じゃない。
彼女のキトリは何回観ても爽快で、スキっとしますね。
こんなに元気になれる、元気にしてくれるキトリって、そうないわー。

また素晴らしかったのがヴァリエーションの五月女さん。
「今日一番のキラキラ大賞」と言ってもいいくらいに輝きまくってました。
小さな身体が小気味よく軽快に動いてて、なんかもう彼女が踊り始めた瞬間泣けましたね、素敵すぎて。
この子もこれからもっと機会を与えて伸びていって欲しい子のひとりです。

休憩を挟み2部は白鳥の2幕。
湖の背景付きです。
牧版の新国の白鳥全幕については、くるみ同様言いたいことはありますが、まあ今回はガラ公演ということで。

オデットが堀口さん、王子がマイレン、ロットバルトに輪島さん。
Second Stepsあたりから特に思うのですが、輪島さんがこの日のロットバルトも含めて最近すごくいい感じです。
動きにエレガントさが加わって、身のこなしも優雅。
なんか大きい役付かないかしら。
かなり観てみたいですね。

堀口さんは2月に全幕白鳥デビューです。
新国でコール・ドを引き連れての白鳥は初めてでしょうに、妙に貫禄が見えました。
マイレン王子は昔観たことがあるんですが、年月や経験を積んだせいなのか、すごく落ち着いてマイルド感も加わった、でもやっぱりマイレンならではのマイレン節の効いた王子です。
最後にオデットとの別れのところなんて、マイレンが握った手を離さず、堀口さんが振り切るように去っていくんですが、これがいい感じに、ドラマです(^_^)

そしてなんと言ってもやはり新国のコール・ドは美しいです。
素晴らしいです。
このクオリティはこれからもずっと延ばし続けて欲しいです。
ここまで一人ひとりの体温が感じられるコール・ドはそうないです。

というわけで。
旅公演はこのあと姫路、和歌山と続きます。
姫路は参戦しますよ、旅行がてら(笑)

ただせっかくの旅公演なのだから、会場でダンサーさんたちを紹介しているイヤーブック(だっけ?)の販売とかすればよかったのに。
白鳥のチラシはありましたが、それ以外にもいろいろ作っているのだし、そういうのもまとめて並べておけばよかったのに。
販売はまあ、ひょっとしたらできない理由があるのかもですが。
でも新国立劇場バレエ団をもっと知ってもらうPRのための旅公演でもあるのだし、こういう機会をもっと貪欲に、地道に活かすという積み重ねもやらないと、今後の集客&知名度向上にはつながらないんじゃないかな、とも思います。
集客は単にプログラム内容やゲストが全てじゃないと思います、やはり。
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by kababon_s | 2014-01-25 23:10 | 新国立劇場バレエ