パリ・オペラ座バレエ「シンデレラ」:ヌレエフ×プロコフィエフ

もう先日になりますがパリ・オペラ座の「シンデレラ」を見て参りました。
シンデレラ・ジローと王子ならぬ映画スター・パケット。
カール・パケットはエトワール昇格後初来日かな?
なんかジローの方が手足が長くて細く、パケットは一見重そうな体つきでジローがちょっと踊りづらそうなところも感じられたけど、男性エトワールとしてはまたちょっと違ったキャラを持っているので、今後に期待です。

で、パリ・オペラ座の「シンデレラ」はヌレエフ振り付けの、ハリウッドを舞台とした大人の、現代の「シンデレラ」。
パリ・オペでは今さらここで話すものでもないほどの定番のプログラムの一つですが、あえて書くと1930年代頃の、いわゆる古き良き時代のハリウッドを舞台とした、シンデレラストーリー。

話の骨子はあの童話のベーシックなもので、義理の姉二人がハリウッドのオーディションにようやく通り、撮影に出かけるのをうらやましく見つめるシンデレラという感じ。
魔法使いのおばあさんの代わりに、多分お忍びで金の卵探しに来た映画プロデューサーがシンデレラを見出し大女優に仕立て上げ、連れて行かれた撮影所で王子ならぬ映画スターと出会い恋に落ち、しかし12時の鐘とともにガラスの靴を残して去っていく…というものです。
かぼちゃの馬車はアメ車に変身し、四季の踊りはグラビア撮影に。
随所にチャップリンやキートン、バンド・ワゴンやキング・コングを彷彿させる踊りやセットが登場し、エンタメを生みだそうとする若々しい熱意があった頃のハリウッドへのオマージュっぽくなっているとこもいいんですよね。
この時代のハリウッド映画は好きなので、そういう部分でも楽しめるのがいいのです。

パリ・オペならではのキッチュで斬新なテイストにモノクロ時代の、しかし華やかな30年代ハリウッドの舞台。
そして音楽はおなじみソ連いうかロシアの天才・プロコフィエフ。

「シンデレラ」という、軽く口にするとシリが痒くなりそうな甘々ストーリーを中和させるプロコならではのねじれた怪しい音楽が、パリ・オペ×ヌレエフ×アンティーク・ハリウッドと合わさってさらなる化学反応を起こし、退廃的なアダルトテイストをいっそう醸し出しているようで、いやもういちいちステキ。
特にあの怪しげ極まりない「ワルツ」が耳について離れません。
ホントに、この「ワルツ」は神曲だなぁ…。

この「ワルツ」の音楽がないもんかと思ったら、東京フィルのサイトで「シンデレラ」の解説を発見。
一瞬ぎょっとするキモいオヤジが出てきますが、この解説はマジで面白かった。
http://www.tpo.or.jp/japanese/concert/analyse.html
興味のある人はぜひ見てみてください。
東フィル、結構こういう面白いことしてるんだよな。
侮りがたし。

というわけで。
一筋縄じゃいかないもの同士が集まると本当に面白い。
今更ながら、常に斜め上辺りから攻めてくるパリ・オペも、へそ曲がりなフランス人らしくていいなあとつくづく思いました。

次回はパリ・オペ伝統の「ジゼル」です。
アニエス×ジョゼ・マルティネスどすえ(#^.^#)
ジョゼのアルブレヒトは初めて見るので楽しみです。
[PR]

by kababon_s | 2010-03-17 03:45 | Ballet