エドモントン&カルガリー(1):巨大なカナダ ~街ができるまで200年~
エドモントンからカルガリーへ。
すでにエドモントンの日程を終了してカルガリーに入っています。
何度も来てるカナダですが、つくづく巨大さを感じる国です。
およそ日本の感覚では、まず想像がつかない巨大さ。
bigという単語じゃ表現しきれない。
huge…なんだろうけど、時々まだそれでも足りない気がします。
聞いたところによると、カナダ西部の都市バンクーバーからカナダ最東部の都市ノバ・スコシアまでの距離と、成田/バンクーバー間の距離が同じだとか。
国の端から端までの移動距離=成田/バンクーバーの移動距離、というわけです。
フライト時間は8時間ですよ。
どんだけでかいww!
ほんとにね、このでかさは体験してみないと分からないと心底思います。
一生のあいだに、少なくとも一度は行っといた方がいいと思います。
で、エドモントンもやっぱりhugeです。
街としては人が少なく、スペースばっかりな感じもしますが、でもでかい。
カナダ西部、アルバータ州の州都。
アルバータ州といってもピンとこないかもですが、バンフやレイクルイーズ、ジャスパーなどがある州で、カナディアン・ロッキーの右側というか、東側に当たります。
オリンピックの会場になったウィスラーはカナディアン・ロッキーの西側で、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州になります。
つまりはロッキーを越えたところにあるわけです。
で、このエドモントンのある辺りからさらに東のサスカチュワン、マニトバ州辺りは「大平原地帯」と呼ばれる、とにかくひたすら、平らな地域。
この間に時差がすでに2つあります。
ちなみに西のバンクーバーとエドモントンの間にも時差があります。
ホントにどれだけだだっ広いのか。
そのだだっ広さを歴史に換算すると、東側とは約200年の「時差」になります。
現地で会ったモントリオール人が「(エドモントンは)若い町よね。200年くらいだものね。モントリオールは400年よ。もちろん欧州や日本はもっと歴史は長いけどぉ…」というように。
まあ、モントリオールも、実は370年くらい、ケベックシティで400年くらいなんですが。
それにしたって17世紀頃から英仏が競って本格的に植民を開始し、街を造り、西へ西へと国を拡大し、Go Westしながらロッキー山脈の東側、ふもとに到達するまでに200年近くかかっているということですね。
平らな大平原地域を延々と越えて、街ができるまで200年。
気の遠くなる旅です。
やっぱりhugeです。
ほんとに。
街はビーバーの毛皮の交易商人の中継地点としての役割を担い、19世紀に建設されたカナダ横断鉄道、そしてゴールドラッシュが発展に拍車をかけたとか。
街中には100年前の建物と近代の建物がミックスして建ってます。

埋もれつつも存在している100年前。
そのエドモントンがアルバータ州の州都となったのは1905年のことで、今でも古式(?)ゆかしき、昔のままのスタイルで、知事や役人の任命式が行われています。

いや、たまたま州議事堂のインサイドツアーに参加したら、その任命セレモニーをやってたんですよね。
写真を撮っていいタイミングにちと制限がありまして、小さいんですが、昔のままの服装で、由緒あるロッドでドアを叩いて、役人が任命式開始の時を告げております。

てか、普通こういう大事な式典があるときに観光客を入れるか??
…と考えるのが日本人。
やっぱり、いろいろな部分で本当におおらかで、hugeだなぁと思うのです、カナダ。
すでにエドモントンの日程を終了してカルガリーに入っています。
何度も来てるカナダですが、つくづく巨大さを感じる国です。
およそ日本の感覚では、まず想像がつかない巨大さ。
bigという単語じゃ表現しきれない。
huge…なんだろうけど、時々まだそれでも足りない気がします。
聞いたところによると、カナダ西部の都市バンクーバーからカナダ最東部の都市ノバ・スコシアまでの距離と、成田/バンクーバー間の距離が同じだとか。
国の端から端までの移動距離=成田/バンクーバーの移動距離、というわけです。
フライト時間は8時間ですよ。
どんだけでかいww!
ほんとにね、このでかさは体験してみないと分からないと心底思います。
一生のあいだに、少なくとも一度は行っといた方がいいと思います。
で、エドモントンもやっぱりhugeです。
街としては人が少なく、スペースばっかりな感じもしますが、でもでかい。
カナダ西部、アルバータ州の州都。
アルバータ州といってもピンとこないかもですが、バンフやレイクルイーズ、ジャスパーなどがある州で、カナディアン・ロッキーの右側というか、東側に当たります。
オリンピックの会場になったウィスラーはカナディアン・ロッキーの西側で、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州になります。
つまりはロッキーを越えたところにあるわけです。
で、このエドモントンのある辺りからさらに東のサスカチュワン、マニトバ州辺りは「大平原地帯」と呼ばれる、とにかくひたすら、平らな地域。
この間に時差がすでに2つあります。
ちなみに西のバンクーバーとエドモントンの間にも時差があります。
ホントにどれだけだだっ広いのか。
そのだだっ広さを歴史に換算すると、東側とは約200年の「時差」になります。
現地で会ったモントリオール人が「(エドモントンは)若い町よね。200年くらいだものね。モントリオールは400年よ。もちろん欧州や日本はもっと歴史は長いけどぉ…」というように。
まあ、モントリオールも、実は370年くらい、ケベックシティで400年くらいなんですが。
それにしたって17世紀頃から英仏が競って本格的に植民を開始し、街を造り、西へ西へと国を拡大し、Go Westしながらロッキー山脈の東側、ふもとに到達するまでに200年近くかかっているということですね。
平らな大平原地域を延々と越えて、街ができるまで200年。
気の遠くなる旅です。
やっぱりhugeです。
ほんとに。
街はビーバーの毛皮の交易商人の中継地点としての役割を担い、19世紀に建設されたカナダ横断鉄道、そしてゴールドラッシュが発展に拍車をかけたとか。
街中には100年前の建物と近代の建物がミックスして建ってます。

埋もれつつも存在している100年前。
そのエドモントンがアルバータ州の州都となったのは1905年のことで、今でも古式(?)ゆかしき、昔のままのスタイルで、知事や役人の任命式が行われています。

いや、たまたま州議事堂のインサイドツアーに参加したら、その任命セレモニーをやってたんですよね。
写真を撮っていいタイミングにちと制限がありまして、小さいんですが、昔のままの服装で、由緒あるロッドでドアを叩いて、役人が任命式開始の時を告げております。

てか、普通こういう大事な式典があるときに観光客を入れるか??
…と考えるのが日本人。
やっぱり、いろいろな部分で本当におおらかで、hugeだなぁと思うのです、カナダ。
LFJ東京2012「サクレ・リュス」:民族音楽も聖歌も ~携帯は切りましょう~
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン(LFJ)東京2012が始まりました。
5月3日から5日まで、たっぷりクラシック音楽のイベント。
「東京」と付けねばならなくなったほどに、新潟や金沢、びわ湖など、日本各地で行われるようになった、フランスのナント生まれの音楽イベントです。
今年のテーマは「ロシアの世紀」ということで、ロシア音楽。
チャイコフスキーにラフマニノフ、ショスタコーヴィチ、グリンカにボロディン等々、ロシアの有名所がたっぷりで、ロシア音楽好きにはウレシイ限り。
さらに民族音楽や教会の聖歌なんかもあって、本当にロシアどっぷりの3日間になりそうです。
今日はまず午後のテレム・カルテットから。
ロシアのマンドリンにアコーディオン(みたいなの)、どでかいバラライカの四重奏で、曲目は民族音楽、民謡からクラシックのアレンジまで。
もう楽器を抱えて出てきた瞬間こみ上げるものがあるのは、何なんだ??
とにかく、ぢつは私はロシアの民族音楽や教会音楽が好きでたまらないのだが、本当に広大な草原を感じさせてくれるような音楽の連続で、うるうるが止まりませんでした。
そのあとはCDやオリジナルグッズなんかを眺めていたら、思わぬ方にばったり!出会い、互いにびっくり。
次の公演まで腹ごしらえしようと、牛たん定食食べながら、しばしお話も楽しめました。
続いて今日の目玉、モスクワ司教座合唱団へ。
これがすごかったです!
本当に素晴らしかった。
ロシアの教会音楽CDは何枚か持ってて、とっかえひっかえ聴いているんですが、やっぱり生の迫力は全然違う。
今回は古くは15世紀の祈祷や賛歌のほか、ラフマニノフ作曲の聖歌や民謡まで入っていたのですが。
何より心揺さぶられて震えもナミダも止まらなかったのが重連祷。
正教の讃歌で、輔祭の祈祷と合唱が繰り返される音楽。
とてもロシアらしい、ロシアの教会音楽といえばこれだよ!と思っているんですが、これが本当に、なんと表現していいのか。
身体のなかに音楽や音、言葉が一気に入り込んで、内側からもう感情というか琴線全てががっしり包み込まれてしまう感じというのか…。
大地から沸き上がってくるような、どっしりと足を下ろし、でも高く広い空へ向かって力強く伸びていくような「祈り」。
とにかく、「音楽」を聴いてこんな思いをしたのは初めてで、本当に素晴らしい、得難い衝撃でした。
ちょっとインターバルの後、今度はチャイコフスキーのピアノ協奏曲1番。
ピアノは毎年おなじみのブリジット・エンゲラーさんのはずだったのですが、残念ながら急病で来日できなくなり、代わりに韓国人の若いピアニスト。
でもオーケストラがベアルン・ポー管弦楽団。
銃士の国から来たオーケストラ、ということで行きましたが。
まあ、ぶっちゃけ国際フォーラムAホールの音響って、あまりよろしくないと思う。
特に後ろの方は、音が遅れて聞こえてくることもあって、さらに急なピアニスト変更ということもあって、合わせるのは大変だったのかな。
ピアノが先走っちゃって、ちょっと残念なチャイコPコン1番でした。
1曲目のショスタコーヴィチの「バレエ組曲」の方が良かったです。
そして最後が目玉の一つ、チャイコフスキーのピアノ協奏曲2番。
ピアノはすっかり有名人のベレゾフスキーです。
ノーネクタイのラフな格好で現れるから、なんだか嬉しくなります。
滅多に演奏されることがない曲というので楽しみにしていたんですが、これが本当に良かった!
ピアニスト泣かせ(であろう)凄まじい超絶技巧のコンチェルトだと思うんですが、それをものともせずに弾いてのけるベレゾフスキーがスゴすぎ!
音響の悪いAホールでも、さほど気にならないくらいにパワーとエレガントさにあふれた演奏でした。
パワーあふれる第1楽章に、第2楽章はピアノとヴァイオリンとチェロの会話みたい。
第3楽章を聴いてて、チャイコフスキーってやっぱり魂はロシアの人なんだなぁ…としみじみ思いました。
惜しむらくは、この静に、ゆるやかに奏でられる第2楽章で、高らかに携帯を鳴らした大馬鹿者がいたこと。
LFJは安いチケットで、クラシックを身近に楽しむのがコンセプトだし、同時に、クラシック入門的な意味合いもあるから、あまりうるさいことは言うつもりはないんですけどね。
楽章と楽章の間の拍手はご愛嬌だし、バレエだったら絶対許せない前ノメラーも、しょうがないなぁ…、と思う。
でも、ホントに携帯鳴らすのだけは許せん!
ホールに入ったら携帯は切れ!
5月3日から5日まで、たっぷりクラシック音楽のイベント。
「東京」と付けねばならなくなったほどに、新潟や金沢、びわ湖など、日本各地で行われるようになった、フランスのナント生まれの音楽イベントです。
今年のテーマは「ロシアの世紀」ということで、ロシア音楽。
チャイコフスキーにラフマニノフ、ショスタコーヴィチ、グリンカにボロディン等々、ロシアの有名所がたっぷりで、ロシア音楽好きにはウレシイ限り。
さらに民族音楽や教会の聖歌なんかもあって、本当にロシアどっぷりの3日間になりそうです。
今日はまず午後のテレム・カルテットから。
ロシアのマンドリンにアコーディオン(みたいなの)、どでかいバラライカの四重奏で、曲目は民族音楽、民謡からクラシックのアレンジまで。
もう楽器を抱えて出てきた瞬間こみ上げるものがあるのは、何なんだ??
とにかく、ぢつは私はロシアの民族音楽や教会音楽が好きでたまらないのだが、本当に広大な草原を感じさせてくれるような音楽の連続で、うるうるが止まりませんでした。
そのあとはCDやオリジナルグッズなんかを眺めていたら、思わぬ方にばったり!出会い、互いにびっくり。
次の公演まで腹ごしらえしようと、牛たん定食食べながら、しばしお話も楽しめました。
続いて今日の目玉、モスクワ司教座合唱団へ。
これがすごかったです!
本当に素晴らしかった。
ロシアの教会音楽CDは何枚か持ってて、とっかえひっかえ聴いているんですが、やっぱり生の迫力は全然違う。
今回は古くは15世紀の祈祷や賛歌のほか、ラフマニノフ作曲の聖歌や民謡まで入っていたのですが。
何より心揺さぶられて震えもナミダも止まらなかったのが重連祷。
正教の讃歌で、輔祭の祈祷と合唱が繰り返される音楽。
とてもロシアらしい、ロシアの教会音楽といえばこれだよ!と思っているんですが、これが本当に、なんと表現していいのか。
身体のなかに音楽や音、言葉が一気に入り込んで、内側からもう感情というか琴線全てががっしり包み込まれてしまう感じというのか…。
大地から沸き上がってくるような、どっしりと足を下ろし、でも高く広い空へ向かって力強く伸びていくような「祈り」。
とにかく、「音楽」を聴いてこんな思いをしたのは初めてで、本当に素晴らしい、得難い衝撃でした。
ちょっとインターバルの後、今度はチャイコフスキーのピアノ協奏曲1番。
ピアノは毎年おなじみのブリジット・エンゲラーさんのはずだったのですが、残念ながら急病で来日できなくなり、代わりに韓国人の若いピアニスト。
でもオーケストラがベアルン・ポー管弦楽団。
銃士の国から来たオーケストラ、ということで行きましたが。
まあ、ぶっちゃけ国際フォーラムAホールの音響って、あまりよろしくないと思う。
特に後ろの方は、音が遅れて聞こえてくることもあって、さらに急なピアニスト変更ということもあって、合わせるのは大変だったのかな。
ピアノが先走っちゃって、ちょっと残念なチャイコPコン1番でした。
1曲目のショスタコーヴィチの「バレエ組曲」の方が良かったです。
そして最後が目玉の一つ、チャイコフスキーのピアノ協奏曲2番。
ピアノはすっかり有名人のベレゾフスキーです。
ノーネクタイのラフな格好で現れるから、なんだか嬉しくなります。
滅多に演奏されることがない曲というので楽しみにしていたんですが、これが本当に良かった!
ピアニスト泣かせ(であろう)凄まじい超絶技巧のコンチェルトだと思うんですが、それをものともせずに弾いてのけるベレゾフスキーがスゴすぎ!
音響の悪いAホールでも、さほど気にならないくらいにパワーとエレガントさにあふれた演奏でした。
パワーあふれる第1楽章に、第2楽章はピアノとヴァイオリンとチェロの会話みたい。
第3楽章を聴いてて、チャイコフスキーってやっぱり魂はロシアの人なんだなぁ…としみじみ思いました。
惜しむらくは、この静に、ゆるやかに奏でられる第2楽章で、高らかに携帯を鳴らした大馬鹿者がいたこと。
LFJは安いチケットで、クラシックを身近に楽しむのがコンセプトだし、同時に、クラシック入門的な意味合いもあるから、あまりうるさいことは言うつもりはないんですけどね。
楽章と楽章の間の拍手はご愛嬌だし、バレエだったら絶対許せない前ノメラーも、しょうがないなぁ…、と思う。
でも、ホントに携帯鳴らすのだけは許せん!
ホールに入ったら携帯は切れ!
ウィーン国立バレエ団「こうもり」:「ウィーン」という名の伝統
4月30日、ウィーン国立バレエ団の「こうもり」を観てきました。
芸術監督のルグリ様がコミカルな狂言回しのウルリック役。
これがまた素晴らしく、ルグリ様で舞台を引っ張っていったという感じでしたが、それでも「ウィーン国立バレエ団」の新しい歴史の始まりを感じ、将来に期待できるカンパニーだと十分感じることのできた、感動的な舞台でした。
「ウィーン国立バレエ団」とはいえ、主要ダンサーのほとんどはロシアやオーストリア近隣諸国出身だし、日本人もいます。
でもその国の名を冠する、あるいは代表するバレエ団のメインダンサーやプリンシパルが外国人というのは、何もウィーンに限ったことではないでしょう。
英国ロイヤルで人気のロホだってコジョカルだって英国人じゃないし、都さんだってそうでした。
ABTだって南北アメリカ大陸出身者も思いっきりいるし、ウィーンフィルのメンバーやフォルクスオーパーの歌手だって、外国人は混じっている。
ロシアももちろん自国民は多いけど、ウクライナや周辺諸国出身者もそれなりにいる。
そういう意味では、生粋の自国人でトップがまかなえるパリ・オペラ座の方が希有だし、日本は逆にまだ、そういう意味ではインターナショナルではないといえます。
でも今回の、ウィーンの世紀末に生まれた作品、そしてローラン・プティがバレエ化した「こうもり」は、「ウィーンらしさ」「ウィーンの風」が本当に、今まで見たどのバレエ団よりも伝わってきました。
ローラン・プティはひょっとしたら、このバレエ団が新たに生まれ変わる、この未来を見越して「こうもり」を作ったのではないか…??と思えるほどに、このバレエ団にはぴったりとハマっていた演目でした。
「ウィーン国立バレエ団、といえば『こうもり』だよね」なんて、将来言われるかもしれない、それくらい、このバレエ団の雰囲気に合っていたように思います。
でも、何度も言うようですが、生粋のウィーンっ子が果たして何人いるのか??という感じのバレエ団です。
でも、ウィーンが香るのはなぜだろう。
何をもってして「その国らしさ」「その国のバレエ団」というのだろう??
それは多分、「ウィーン国立歌劇場」「ゼンパーオーパー」「フォルクスオーパー」という、その国がずっと培って、守り伝えてきた「伝統」「歴史」なかもしれません。
「ウィンナー・ガラ」やこのプログラムでもわかるように、ルグリ芸術監督は「ウィーンの国立バレエ団」にとても敬意を払っている。
「自国民でエトワールがまかなえる」バレエ団出身の人だからこそ、ゲストをあまり使わずに、団員の中から人材を見出して育てているのは「その国の芸術」「その国の看板」の大切さをわかっているのではないでしょうか。
昨日のガラも含め、「ウィーンの看板」「ウィーンらしさ」を念頭に置いて、作品を選び、プログラムを組んだ公演だったという印象を強く受けました。
ウィーンフィルやオペラ、オペレッタと並ぶ「ウィーンの芸術」のひとつとして、バレエを一つのお皿の上に乗せようという、挑戦をしている。
ウィーンのバレエはニューイヤーコンサートのおまけでもなく、トイレタイムでもなく、必見に値する素晴らしいので、またそういうものにしていきたいという思いを改めて見せてもらった感じもしました。
そして、今回主演のベラ役のオルガ・シエナ、ヨハン役のキリル・クルラーエフは二人とも、先のニューイヤーコンサートのとき、ベルベデーレ宮殿のクリムト「接吻」の絵の前で踊った人たちです。
手足が長く、プロポーション抜群のシエナは清楚な奥様もキッチュな謎の美女も、どちらものびのびと踊っていて素晴らしかった。
ヨハンのクルラーエフは、最初は固いか…??という感じでしたが、2幕からは急に生き生きとしてきて、本来の持ち味を取り戻したのでしょうか。
ジャンプも高くなり、ベラにコウモリの羽を切り取られた時の、諦めのような絶望のような、「これでいいのだ」的な思いが入り交じった表情がなんとも絶妙でした。
チャールダーシュのソロは日本人の木本全優君。
ルグリ様との掛け合いもある、実は大役だったのですが、いわゆる「ルグリっ子」とも言える彼は、きっともっと伸びるのでは?
あのプロポーション抜群のメンバーの中にあっても遜色なく、存在感があり、すごく将来が楽しみです。
もちろんやはりルグリ様のウルリックが感動的!
デフォルトの「喰えない紳士」に始まり、怪しいギャルソン、ノリノリの御者、ほっぺた真っ赤メイクの道化師のようなチャールダーシュに、加藤茶を思わせるような付け鼻眼鏡の看守と、七変化ならぬ五変化という忙しさですが、これがコミカルで、楽しくて、どういうわけか嬉しくてシアワセで泣けてくる。
本当に、いつでも全力で最高のパフォーマンスを見せようとするこの姿勢は、感涙ものです。
素晴らしい人です。
本物の芸術家です。
そしてウルリックの動き一つひとつから、「ボクのバレエ団、ボクの仲間たちを見て!」というルグリ様の愛情も伝わってくるんです。
本当に、この人はこのバレエ団の仲間たちが好きなんだなぁ…!
もちろん、ルグリ様の存在感が圧倒的すぎて、ウィーンメンバーオンリーの回を見たら、ひょっとしたらもっと違う感想を持つかもしれません。
「あ~、やっぱりまだまだだ」と思ってしまったかもしれません。
でもこのルグリ様がこの公演の舞台で放った輝きは、それはそれで「芸術家」「ダンサー」のあり方として、このバレエ団の歴史の一つになったはずです。
華やかなフィナーレのウィンナ・ワルツはもう、ウィーンの香りが充満した素晴らしく華麗な空間。
舞台は幾度となく続くカーテンコールに、最後はスタンディング・オベイションでした。
大人のエレガンス、ウィーンの世紀末のほのかに退廃も香る華やかな時代。
「ウィーン気質」を久々に感じ、またウィーンに行きたいと思ってしまう舞台でした。
本当にこのバレエ団、次に見る時が楽しみです。
芸術監督のルグリ様がコミカルな狂言回しのウルリック役。
これがまた素晴らしく、ルグリ様で舞台を引っ張っていったという感じでしたが、それでも「ウィーン国立バレエ団」の新しい歴史の始まりを感じ、将来に期待できるカンパニーだと十分感じることのできた、感動的な舞台でした。
「ウィーン国立バレエ団」とはいえ、主要ダンサーのほとんどはロシアやオーストリア近隣諸国出身だし、日本人もいます。
でもその国の名を冠する、あるいは代表するバレエ団のメインダンサーやプリンシパルが外国人というのは、何もウィーンに限ったことではないでしょう。
英国ロイヤルで人気のロホだってコジョカルだって英国人じゃないし、都さんだってそうでした。
ABTだって南北アメリカ大陸出身者も思いっきりいるし、ウィーンフィルのメンバーやフォルクスオーパーの歌手だって、外国人は混じっている。
ロシアももちろん自国民は多いけど、ウクライナや周辺諸国出身者もそれなりにいる。
そういう意味では、生粋の自国人でトップがまかなえるパリ・オペラ座の方が希有だし、日本は逆にまだ、そういう意味ではインターナショナルではないといえます。
でも今回の、ウィーンの世紀末に生まれた作品、そしてローラン・プティがバレエ化した「こうもり」は、「ウィーンらしさ」「ウィーンの風」が本当に、今まで見たどのバレエ団よりも伝わってきました。
ローラン・プティはひょっとしたら、このバレエ団が新たに生まれ変わる、この未来を見越して「こうもり」を作ったのではないか…??と思えるほどに、このバレエ団にはぴったりとハマっていた演目でした。
「ウィーン国立バレエ団、といえば『こうもり』だよね」なんて、将来言われるかもしれない、それくらい、このバレエ団の雰囲気に合っていたように思います。
でも、何度も言うようですが、生粋のウィーンっ子が果たして何人いるのか??という感じのバレエ団です。
でも、ウィーンが香るのはなぜだろう。
何をもってして「その国らしさ」「その国のバレエ団」というのだろう??
それは多分、「ウィーン国立歌劇場」「ゼンパーオーパー」「フォルクスオーパー」という、その国がずっと培って、守り伝えてきた「伝統」「歴史」なかもしれません。
「ウィンナー・ガラ」やこのプログラムでもわかるように、ルグリ芸術監督は「ウィーンの国立バレエ団」にとても敬意を払っている。
「自国民でエトワールがまかなえる」バレエ団出身の人だからこそ、ゲストをあまり使わずに、団員の中から人材を見出して育てているのは「その国の芸術」「その国の看板」の大切さをわかっているのではないでしょうか。
昨日のガラも含め、「ウィーンの看板」「ウィーンらしさ」を念頭に置いて、作品を選び、プログラムを組んだ公演だったという印象を強く受けました。
ウィーンフィルやオペラ、オペレッタと並ぶ「ウィーンの芸術」のひとつとして、バレエを一つのお皿の上に乗せようという、挑戦をしている。
ウィーンのバレエはニューイヤーコンサートのおまけでもなく、トイレタイムでもなく、必見に値する素晴らしいので、またそういうものにしていきたいという思いを改めて見せてもらった感じもしました。
そして、今回主演のベラ役のオルガ・シエナ、ヨハン役のキリル・クルラーエフは二人とも、先のニューイヤーコンサートのとき、ベルベデーレ宮殿のクリムト「接吻」の絵の前で踊った人たちです。
手足が長く、プロポーション抜群のシエナは清楚な奥様もキッチュな謎の美女も、どちらものびのびと踊っていて素晴らしかった。
ヨハンのクルラーエフは、最初は固いか…??という感じでしたが、2幕からは急に生き生きとしてきて、本来の持ち味を取り戻したのでしょうか。
ジャンプも高くなり、ベラにコウモリの羽を切り取られた時の、諦めのような絶望のような、「これでいいのだ」的な思いが入り交じった表情がなんとも絶妙でした。
チャールダーシュのソロは日本人の木本全優君。
ルグリ様との掛け合いもある、実は大役だったのですが、いわゆる「ルグリっ子」とも言える彼は、きっともっと伸びるのでは?
あのプロポーション抜群のメンバーの中にあっても遜色なく、存在感があり、すごく将来が楽しみです。
もちろんやはりルグリ様のウルリックが感動的!
デフォルトの「喰えない紳士」に始まり、怪しいギャルソン、ノリノリの御者、ほっぺた真っ赤メイクの道化師のようなチャールダーシュに、加藤茶を思わせるような付け鼻眼鏡の看守と、七変化ならぬ五変化という忙しさですが、これがコミカルで、楽しくて、どういうわけか嬉しくてシアワセで泣けてくる。
本当に、いつでも全力で最高のパフォーマンスを見せようとするこの姿勢は、感涙ものです。
素晴らしい人です。
本物の芸術家です。
そしてウルリックの動き一つひとつから、「ボクのバレエ団、ボクの仲間たちを見て!」というルグリ様の愛情も伝わってくるんです。
本当に、この人はこのバレエ団の仲間たちが好きなんだなぁ…!
もちろん、ルグリ様の存在感が圧倒的すぎて、ウィーンメンバーオンリーの回を見たら、ひょっとしたらもっと違う感想を持つかもしれません。
「あ~、やっぱりまだまだだ」と思ってしまったかもしれません。
でもこのルグリ様がこの公演の舞台で放った輝きは、それはそれで「芸術家」「ダンサー」のあり方として、このバレエ団の歴史の一つになったはずです。
華やかなフィナーレのウィンナ・ワルツはもう、ウィーンの香りが充満した素晴らしく華麗な空間。
舞台は幾度となく続くカーテンコールに、最後はスタンディング・オベイションでした。
大人のエレガンス、ウィーンの世紀末のほのかに退廃も香る華やかな時代。
「ウィーン気質」を久々に感じ、またウィーンに行きたいと思ってしまう舞台でした。
本当にこのバレエ団、次に見る時が楽しみです。
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旅ライター“kababon”の旅とバレエと音楽のブログ。生活もまた旅。
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